骨粗しょう症とは?骨折を予防するための生活習慣と治療法

骨粗しょう症は骨密度が低下し、骨がもろくなる疾患で、特に中高年や女性に多く見られます。骨密度が低下することで、転倒や小さな衝撃でも簡単に骨折してしまう危険性が高まります。予防には栄養管理や運動が重要で、加齢とともに進行しやすいため早期の対策が大切です。この記事では、骨粗しょう症の原因、症状、予防策、治療法について詳しく解説します。

骨粗しょう症の原因と症状

骨粗しょう症の原因はさまざまで、加齢ホルモンバランスの変化栄養不足運動不足などが挙げられます。特に閉経後の女性は、エストロゲン(骨の代謝に関わるホルモン)の分泌が減少することで骨密度が急激に低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります。

この疾患は初期には自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行するケースが多いです。症状が進行すると、以下のような兆候が現れます。

  • 背中や腰の痛み:背骨が圧迫骨折を起こしやすくなり、慢性的な痛みが生じます。
  • 身長が低くなる:骨の圧迫骨折によって背骨がつぶれ、身長が縮むことがあります。
  • 姿勢の変化:背骨が曲がりやすくなり、猫背のような姿勢になることもあります。

骨粗しょう症を予防する生活習慣

  1. 栄養管理 骨の健康にはカルシウムビタミンDが不可欠です。カルシウムは骨の主成分となり、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける役割を果たします。
    1. カルシウム:乳製品(ヨーグルトやチーズ)、小魚、豆類に多く含まれます。
    2. ビタミンD:魚(鮭やイワシ)、きのこ類などに含まれており、また日光に当たることで体内でも生成されます。10〜15分程度の日光浴が推奨されます。
    3. ビタミンK:骨形成に関与する栄養素で、納豆やブロッコリー、ほうれん草などの野菜に豊富です。
  2. 適度な運動 適度な運動は骨の形成を促し、筋力も維持できるため転倒予防にも役立ちます。ウォーキングやランニング、筋力トレーニングなどの負荷がかかる運動は、骨に刺激を与えて強くします。
    1. ウォーキングや階段昇降:低負荷の運動でありながら、骨に適度な刺激を与えられます。
    2. 筋力トレーニング:下半身の筋肉を鍛えることで、転倒防止や骨の強度向上に効果的です。
  3. 骨密度の定期的なチェック 骨粗しょう症は進行が早いこともあり、骨密度の検査を定期的に受けることが大切です。特に50代以降の方や閉経後の女性は、年1回の骨密度測定を受け、早期の対策につなげることが望ましいです。

骨粗しょう症の治療法

症状が進行している場合、医師による薬物治療が行われることがあります。これにより、骨密度の低下を抑え、骨の強度を高めて骨折のリスクを軽減します。

  • ビスホスホネート:骨吸収を抑える薬で、骨密度の維持に効果があり、週1回や月1回の服用が一般的です。
  • ビタミンD製剤:カルシウムの吸収を促し、骨密度を向上させます。
  • ホルモン補充療法:閉経後の女性に行われることが多く、エストロゲンを補充することで骨の健康を維持します。

日常生活で気をつけるポイント

  1. 転倒防止 骨粗しょう症では骨折のリスクが高まるため、転倒防止が特に重要です。家の中の段差をなくし、滑りやすい床にはマットを敷くなど、環境を整えることが必要です。また、外出時には平らな靴や滑りにくい靴を選び、安定した歩行を心がけましょう。
  2. 姿勢の改善 骨粗しょう症が進行すると、背中が曲がり猫背のような姿勢になりがちです。日常的に背筋を伸ばし、正しい姿勢を維持することも骨にかかる負担を減らし、骨の健康を守る助けになります。
  3. カルシウムとビタミンDのサプリメント活用 栄養摂取が難しい場合、医師と相談の上でカルシウムやビタミンDのサプリメントを活用すると、手軽に必要量を補うことができます。