手の外科とは

手の外科医は、整形外科と形成外科の融合分野で、手や指、手首の疾患や外傷に特化し、機能と整容の両立を追求します。
手の問題は複雑で専門医は少ないですが、手外科専門医は国内に約1100名。患者さまに応じた治療計画を立て、手の機能を最大限に回復し、日常生活や仕事への復帰をサポートします。痛みやしびれ、違和感を感じる場合は、なんらかの障害が起きている可能性があります。違和感は放置せずに、まずは名古屋市丸の内のリジェネレーションクリニックへご相談ください。

こんな症状のある方は
ご相談ください

  • 手や手指の痛みや腫れ
  • 骨折などの外傷
  • 手指のしびれ
  • 手首の痛みや腫れ
  • スポーツ障害
  • 日常生活やスポーツ時の違和感

手の外科の主な疾患

手や指の変形性関節症

変形性関節症とは

関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。腫れや激しい痛みを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが、他の関節の病気と変形性関節症とで異なる点です。

原因

原因は不明ですが、第一関節に発生する症状は変形性関節症です。

治療

薬物療法、局所テーピングなどの保存療法や変形がひどくなり日常生活に困難がみられるときに手術を行います。

ばね指(弾発指・狭窄性腱鞘炎)

ばね指とは

指を曲げ伸ばしした時に痛みを伴い、引っかかる感じがしたり、実際にひっかかる病気です。放置すると、指が固くなり動きが悪くなることがあります。

原因

屈筋腱と靭帯性腱鞘の間で炎症が起こると、指の付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。
これを腱鞘炎と呼び、進行するとばね現象が生じ、呼称が変わり「ばね指」と呼ばれます。

治療

治療としては、局所安静、消炎鎮痛薬や外用薬の処方、ステロイドの腱鞘内注射などを行います。
注射は打ち過ぎると腱が傷むので、2、3回注射しても治らない場合は腱鞘を広げる手術を行います。

ド・ケルバン腱鞘炎

ド・ケルバン腱鞘炎とは

手首の母指側に腫れと痛みが生じます。
母指には幾つかの腱がついていますが、二本が手首の母指側にある腱鞘の部分で炎症を起こして腱の動きがスムーズでなくなります。

原因

妊娠、産後時や更年期の女性に起こることが多く、スポーツマンや指をよく使う仕事をする人にも見られます。
母指の使い過ぎにより、腱鞘が肥厚したり腱の表面が傷んだりして、一層症状が強くなる悪循環が生じます。

治療

保存療法を用います。局所の安静で刺激を少なくし、湿布をや装具を当てて固定することもあります。
腱鞘内に局麻材入りステロイドを注射し、炎症、痛み、腫れを抑えます。
保存治療で治らないときには手術で腱鞘を切離し、腱を開放します。

長く続く手首の痛み

原因

原因は不明ですが、月状骨(手首の真ん中にある骨)の血行障害により、月状骨がつぶれる病気です。
キーン・ベック症候群と呼ばれ、手をよく使う青壮年男性に多く見られます。女性や高齢者に見られることもあります。

治療

症状、年齢、変形の進行によって治療法が異なります。保存治療として、手首を安静に保つためにギブスや装具による治療が行われます。手術療法が行なわれることがあります。

手と手首のスポーツ障害

スポーツ障害とは

投球時や投球後に肘が痛くなります。野球肘と呼ばれ、肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあります。

原因

肘は3つの骨からなり、これらをつなぐ靭帯や筋肉がつく場所があります。投球動作により引っ張られたり、骨と骨がぶつかることが原因です。内側型、外側型、後方型があります。

治療

投球の中止が重要です。我慢して投球を続けると悪化させます。局所の安静アイシングが必要です。保存的療法として、PRP療法も用いられますが、症状によっては手術が必要になることもあります。

手根管症候群

手根管症候群とは

示指、中指を中心にしびれ、痛みがでます。しびれは環指、母指に及ぶこともあります。これらは明け方に強くなり、手を振ることで楽になります。
母指の付け根がやせてきて、縫物やボタンかけなどの細かい作業が困難となり、親指と人差し指をつけてつくるハンドサインの「OK」の表現ができにくくなります。

原因

多くは原因不明ですが手根管症候群は圧倒的に女性に多く生じます。妊娠・骨折・手を使う重労働者にも生じ、閉経、透析も原因となります。

治療

手の使い過ぎをやめ、治らないときは専門医へ相談をします。飲み薬、局所の安静を第一に実践し、手術により治療します。

テニス肘

テニス肘とは

物をつかんで持ち上げるような動作やタオルを絞るときなどに肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。
多くの場合安静時の痛みはありません。

原因

中年以降のテニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と呼ばれていますが、一般的には年齢と共に肘が傷んで発症します。
病態については十分わかっていませんが主に短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)の起始部が肘外側部で障害されることが原因と考えられています。

治療

保存療法を用いられます。手首や指のストレッチをこまめに行い、スポーツや手を使う作業を控え、湿布や外用薬を使用します。多くの場合これで数カ月以内に痛みが軽くなります。
局麻材入りステロイド注射を行い、テニス肘用バンドを装着します。

デュピュイトラン拘縮

デュピュイトラン拘縮とは

手のひらから指にかけて硬結(しこりやこぶのようなもの)ができ、皮膚が引き連れて指が徐々に伸ばしにくくなります。
環指や小指に多く見られますが、他の指や足の裏にも出来ることがあります。痛みはあまりありません。

原因

原因は不明ですが、高齢者や糖尿病のかたに多く見られます。皮膚や皮下組織(腱膜)が増殖して硬くなります。

治療

指が曲げ伸ばしにくくなり、日常生活に支障をきたすようになると、増殖した腱膜をとる手術(腱膜切除)が行われます。
手術後には後療法(リハビリ、装具療法)を行いますが、再発を起こすことがあります。

手や手指のこわばり

手や手指のこわばりについて

突っ張る、動かしにくいなどの症状を含みます。
ボタンをはめるなど細かい動作をうまくできなくなった、起床時に手のこわばりを感じる、無理に動かすと痛いなどばね指、更年期、産後、関節リウマチ、変形性関節症、膠原病などが考えられます。症状によって病名も変わるため医師の正確な診断が必要です。

治療

手や手首のこわばりは、多くの原因が考えられるため、専門医による診断と適切な治療が重要です。具体的な症状や状況に応じた治療計画を立てることが推奨されます。

手や上肢の骨折

手や上肢の骨折について

肘の部分に激しい痛みと腫れがあり、痛くて肘が動かせないと、上腕骨顆上骨折を疑います。
骨折片で神経や血管が損傷されると、手や指がしびれて動かせなくなることがあり、レントゲン検査で診断します。

原因

多くは転んで手をついた際、肘が沿反って肘の部分で骨折します。
子供によくみられる骨折です。

治療

変形の程度が軽い場合はギブスなどで固定、変形が強く不安定な場合は手術治療(銅線固定など)を行います。
腫れがひどい場合には(腕をつって引っ張る)治療を行うこともあります

手腫瘤

手腫瘤とは

関節の周辺に米粒大からピンポン玉くらいまでの腫瘤ができることをガングリオンと呼びます。
腫瘤は大きくなったり小さくなったりすることがあり、手首の甲にできる事が多く、軟らかいものから硬いものまであります。
不快感がありますが、多くの場合強い痛みはなく、神経が圧迫されると痛みが出ることがあります。
注射器で腫瘤を調べ、内容物がゼリー上ならガングリオンと診断します。MRI検査や超音波検査を行う事もあります。

原因

関節を包むふくろや腱を包む鞘(さや)の変性により生じます。女性に多いですが、必ずしも手をよく使う人に多いとは限りません。

治療

ガングリオンは放置しても心配はありません。
大きくなるもの、痛みが強いものには治療が必要です。注射器で吸引したり、押しつぶしたりすることがあります。
繰り返し内容物がたまる場合には手術で摘出することもあります。いずれの治療法でも再発する場合があります。

手の外科の主な治療方法

日帰り手術

日常生活への影響を最小限に安全な手術を保険治療

名古屋市丸の内のリジェネレーションクリニックでは外来手術室を完備しており、手の病気・ケガの日帰り手術を行っております(完全予約制)。
手術はすべて伝達麻酔または局所麻酔下にて行います。伝達麻酔とは、脇の下や肘などにある神経に麻酔薬を注入して行う麻酔法です。当クリニックでは、エコーを見ながら行うため、安全で確実な麻酔効果を得ることが出来ます。

対象疾患や症状

PRP療法(再生医療2種3種)

自然治癒力を活かし、治癒を目指します自費治療

PRP療法(自己多血小板血漿注入療法)は、患者様ご自身の血液中に含まれる血小板を利用した再生医療であり、血小板の成分だけを高い濃度で抽出し、注射する治療法です。スポーツ医学では肘や膝、靭帯損傷・骨折などの治癒を高める目的で行われている治療法です。従来、テニス肘、ゴルフ肘、ジャンパー膝などの膝の膝蓋腱炎、アキレス腱炎には、ステロイド剤を注射していました。靭帯損傷や骨折では、固定して時間を待つしかありませんでした。しかし、近年の医学研究の発達に伴い、ステロイド剤を全く使用しない、新しい安全な治療法が開発されました。それが、自己多血小板血漿(PRP)注入療法です。

PRP療法をこんな方がうけておられます

PRP療法の原理

筋損傷は「筋挫傷」と「肉離れ」に分かれ、スポーツでよく見られます。損傷箇所では血管が破れ、筋繊維が傷つきます。この傷ついた部分には炎症細胞が集まり、炎症を引き起こす物質を放出し、同時に、細胞は筋肉の再生を助ける成長因子も放出します。PRP療法は、これらの成長因子を含む血液成分を損傷した筋肉に注入することで、治癒を促進します。

血液を遠心分離機にかける→血小板を豊富に含むPRPを患部に注射

再生医療について

当クリニックの
手の外科の特長

  • 手の外科の専門医による治療

    手の外科・形成外科の専門医が患者さま一人ひとりの症状・生活スタイルに合わせて治療計画を立てます。個人に合った最適な治療を提案させていただきます。

  • オペ室での日帰り手術

    名古屋リジェネレーションクリニックへの日帰り手術は、患者さまの快適な環境で行われます。専用のオペレーティングルームで手術を行い、安定した状態でご自宅にお帰りいただけます。

  • 機能と整容の両立

    リジェネレーションクリニックの手の外科は、機能と整容の両立を追求しています。運動療法を中心に整形外科疾患の関節可動域の改善や、筋力の回復を行い、QOLを目指しております。

患者様、ご家族様へ

根治を目指し、
再生医療も視野にいれた
サポートを

名古屋市丸の内にあるリジェネレーションクリニックでは、根拠に基づく保険治療をベースに、最新の医療技術を選択肢として提供しています。特に、手の外科は精密な技術が求められるため、最新の知見を取り入れることはとても重要です。患者さま一人ひとりの状態に最適な治療を提供し、早期に日常生活へと戻れるようサポートいたします。極力痛みの少ない治療、迅速な回復を促す再生医療、そして予防医学にも力を入れ、生活の質を向上させることができるよう、常に寄り添います。些細な違和感でもぜひ当クリニックの手の外科に一度ご相談ください。

医師
大山 慎太郎

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