肩関節周囲炎(五十肩)とは?原因と治療法、効果的なリハビリ方法
肩関節周囲炎(五十肩)は、肩の可動域が制限され、痛みやこわばりを感じる疾患です。40~60代に多く発生し、日常生活の動作が制限されることが特徴です。この記事では、五十肩の原因やリハビリ方法について解説します。
五十肩の原因
五十肩の正確な原因はまだ解明されていませんが、肩関節周囲の炎症や腱、靭帯の老化による硬化が関連しています。多くの場合、肩の過度な使用や加齢が引き金となり、肩の動きが悪くなり、最終的に痛みとこわばりを引き起こします。
症状
五十肩は、肩を動かす際に鋭い痛みが生じたり、肩を上げることが困難になるという症状が主に現れます。症状は以下の段階で進行します。
- 炎症期:痛みが強く、肩を動かすと痛みが激しくなります。
- 拘縮期:痛みが減少しますが、肩の可動域が狭まり、硬さを感じます。
- 回復期:徐々に肩の動きが改善し、痛みが和らいでいきます。
治療法
治療は段階に応じて異なりますが、基本的には痛みの緩和と可動域の回復が目標となります。
- 保存療法
- 薬物療法:痛みや炎症を抑えるために、鎮痛薬や抗炎症薬が用いられます。炎症がひどい場合には、関節にステロイド注射が行われることもあります。
- 物理療法:温熱療法や電気治療、超音波治療などが効果的です。これにより血行が改善し、痛みやこわばりを軽減できます。
- リハビリと運動療法 五十肩は、リハビリによる治療がとても重要です。症状の段階に応じた適切なリハビリを行うことで、可動域の回復と痛みの軽減を目指します。具体的には以下の方法が効果的です。
- ストレッチ:肩周りの筋肉を無理のない範囲で伸ばすことが重要です。肩甲骨周りを緩めるストレッチや、肩を上げる動作を少しずつ取り戻すための運動が推奨されます。
- 肩の回旋運動:肩をゆっくり前後に回す運動は、肩の動きを改善し、関節の硬さを和らげます。
- 抵抗運動:肩の筋力を徐々に強化するために、軽い負荷をかけた運動を取り入れることも効果的です。特にゴムバンドを使った運動や軽いダンベルを使った運動が勧められます。
日常生活での工夫
- 温熱療法を自宅で行うことで、肩のこわばりを軽減し、リハビリをより効果的に進めることができます。温かいタオルやシャワーを使い、肩を温めるとよいでしょう。
- 姿勢の改善:普段から肩をすぼめたり、背中を丸めた姿勢を避け、肩甲骨を開くように意識して座ることが大切です。これにより、肩への負担が軽減されます。
回復には時間がかかる
五十肩は一度発症すると、症状が完全に回復するまでに数か月から1年ほどかかることが一般的です。焦らず、段階的にリハビリを進めていくことが重要です。痛みがある場合は無理をせず、リハビリを続けることが最善の道となります。